頻発する地震

誰の記憶にも新しい、あの「東日本大震災」以降、自身の無い日はなくなったといっていいでしょう。それまでも日本列島は絶えず微動を続けていました。進度が記録されない軽微な変動や、震度1~2といった軽く揺れを感じる程度の地震は毎日のようにあったのです。日本はどうしても、地震と付き合わなければいけない国ですが、有感地震の数は現在のように多くはありませんでした。
あの日以降、必ずといっていいほどどこかで有感地震が起きています。東北地方を中心に、今でも体感できる規模の地震があとをたたないのです。科学者や研究者の中には震災時のエネルギーで各地のプレートが活性化した、という人もいます。東日本大震災はそれほど大きな地震でした。地球の地軸が傾いてしまうほど、大きなエネルギーを持っていたのです。
あのような規模の地震に遭遇してしまうと、どんな地震対策も無意味に感じてしまうかもしれません。どのような耐震構造も、免震構造も、マグニチュード9レベルの地震にあってしまうとひとたまりもありませんでした。そして、後からやってくる大津波です。揺れが収まり、被害状況を確認しようとした矢先の津波の襲来で、瓦礫の下の人も、またかろうじて一命を取り留めて被害確認に奔走する人も、全ての人を等しく飲みこんでいきました。
その被害は東北だけにとどまらず、東京を中心とした首都圏は交通網かマヒし、多数の帰宅困難者と、極端な物資不足が発生しました。そして原発が停止したことによる電力不足、さらには原発からの放射性物質の拡散など・・・・、事態はまだ収束していません。
そのような状態でも、未だ余震とみられる中規模な揺れは頻発し、さらに震源域を拡大しつつあるようです。東京を中心とした首都圏の地下にも、いつ活動してもおかしくない「活断層」があることがわかっています。それらはいつ大規模な地震を引き起こすか、わからない状態なのです。それらの断層を震源とする地震が発生すれば、間違いなく「直下型地震」となることは明白です。
私たちは地震速報を目にするたび、自らの足元が揺らぐたび、あの日の再来ではないかと不安になります。いつ、どこで、大規模震災に遭遇するのか、全く分からない状態になってしまいました。元々、そのような状態には変わりはないのですが、あの日以来、どれくらいの被害が起こるのか、ということがリアルに想像できるようになってしまったのです。
いまだ揺れ続ける日本列島の上に、私たちは暮らしているのです。