高層住宅、高層ビルで地震にあったら

地震は発生を予知することはできません。ですから、その発生時にどこにいるのかということは選べないのです。自宅かもしれない、通勤、通学途中かもしれない、職場かもしれないのです。
もし職場が高層ビルに入居している場合は、その中は安全です。高層ビルには多分にもれず、免震や制振の仕組みが備わっています。その揺れは地上とはことなり、ビルの倒壊を防ぐための制御されたものになります。エレベーターは止まってしまいますし、外に出られない状況となりますから、不安を覚えると思いますが、実はそのビルの中の方が安全です。大規模なオフィスビルには「防災センター」という設備があることでしょう。緊急時には防災センターがビル全体の安全を確認したり、避難誘導を行います。各テナントはその指示に従うことになります。高層ビルでは、その構造上、地上の揺れがおさまったあとも揺れがすぐには止まりません。地震によるエネルギーを逃がすため、高層ビルには特殊な免震構造が込められています。その効果で、地震がおさまったあともまるで船のように揺れ続けることになります。この揺れは長時間続くこともあり、おさまるまではフロアを離れることは危険になります。もちろん、エレベーターなどは動きません。ビルの揺れがおさまるまでの間、各人の無事を確かめたり、その後の行動を考えておく必要があるでしょう。ビルの防災センターはビル内の各施設の安全確認と、被害状況の確認を行っています。決して指示があるまでは非常階段などを使用してはいけません。
事態が一区切りつき、施設の安全が確認されれば、そのビルからようやく出ることができます。ですが、やはりエレベーターの利用は絶望的です。高層ビルのエレベーターの点検には膨大な時間がかかりますし、余震も懸念されます。その日のうちはエレベーターは使用できないと考えた方が良いでしょう。そうなると「非常階段」での避難となります。高層ビルや高層マンションの非常階段は段差も狭く、そして高さが少しあるものです。整然と並んで、押し合うことなく、無理をせずに避難するようにしましょう。